山道で見かける「ワッフルみたいなコンクリート」の正体は?実は山全体を巨大なボルトで繋ぎ止めていた!
作成者:
株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-09-01 14:40
カテゴリー:
クリコラ 〜 CREATIVE LAND 建設コラム 〜
作成者:
株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-09-01 14:40
山道で見かける「ワッフルみたいなコンクリート」の正体は?実は山全体を巨大なボルトで繋ぎ止めていた!
この記事を一言でまとめると?
・山道で見かける網目状のコンクリートは、ただの壁ではなく山奥の固い岩盤まで刺された「巨大ボルト」を固定して山全体の崩壊を防ぐ技術だった
・施工には熟練した職人技が必要だったが、デジタル技術でより安全に効率よく施工できるようになっている
・施工には熟練した職人技が必要だったが、デジタル技術でより安全に効率よく施工できるようになっている
山道で見かける「ワッフルみたいな網目状のコンクリート」って何?
近年、北陸地方をはじめ全国各地で多発している猛烈な豪雨や大型地震。これらによって山体崩壊や土砂崩れが発生すると、道路の途絶や集落の孤立、物流の停滞など、私たちの市民生活やライフラインに甚大な影響を及ぼします。
こうした甚大な災害を未然に防ぎ、交通網や地域の暮らしの安全を守るために、土木建設の現場ではさまざまな防災・減災対策が推進されています。そのなかでも、危険な斜面や削られた山肌を補強して土砂崩れを防ぐ上で特に重要な役割を果たしているのが「のり面(法面)対策」です。
山道をドライブや旅行しているとき、山肌一面に張り巡らされた「ワッフルや格子のような網目状のコンクリート構造物」を見かけたことはありませんか?
一見すると不思議な模様の建築物に見えますが、実はこれこそが、大雨や地震による斜面の崩落を防止し、山全体を崩さないよう力強く支えているのり面対策の防災インフラなのです。
こうした甚大な災害を未然に防ぎ、交通網や地域の暮らしの安全を守るために、土木建設の現場ではさまざまな防災・減災対策が推進されています。そのなかでも、危険な斜面や削られた山肌を補強して土砂崩れを防ぐ上で特に重要な役割を果たしているのが「のり面(法面)対策」です。
山道をドライブや旅行しているとき、山肌一面に張り巡らされた「ワッフルや格子のような網目状のコンクリート構造物」を見かけたことはありませんか?
一見すると不思議な模様の建築物に見えますが、実はこれこそが、大雨や地震による斜面の崩落を防止し、山全体を崩さないよう力強く支えているのり面対策の防災インフラなのです。
山に巨大なボルトを刺す!?「網目」に隠されたすごい仕組み
斜面が崩れるのを防ぐ技術は、建設の専門用語で「法面保護(のりめんほご)」と呼ばれます。あの網目構造には、物理と自然の原理を活かした見事な知恵が詰まっています。
○山奥の岩盤まで届く「巨大なアンカー(ボルト)」
…表面に見えているコンクリートの枠(法枠)の中心や交差点には、山の中へ深く刺し込まれた鋼の太いワイヤーやボルト(グラウンドアンカー)が隠れています。
表面の土や岩が雨や風化で崩れ落ちそうになっても、山奥深くにあるびくともしない固い岩盤まで届かせたボルトで引っ張ることで、斜面全体がズレ落ちるのを強力に防いでいます。あの網目コンクリートは、ボルトの頭を押さえつける「座金(ワッシャー)」の役割を果たしているのです。
○枠の中に吹き付けるのは「土と草の種」
…網目の枠の中をよく見ると、草や樹木が生えている場所も多くあります。これは、枠の中にあらかじめ土や栄養分、植物の種を混ぜたコンクリート状の泥を吹き付けているからです。時間が経つと根が張り、自然の力でも斜面が強固になっていきます。
○山奥の岩盤まで届く「巨大なアンカー(ボルト)」
…表面に見えているコンクリートの枠(法枠)の中心や交差点には、山の中へ深く刺し込まれた鋼の太いワイヤーやボルト(グラウンドアンカー)が隠れています。
表面の土や岩が雨や風化で崩れ落ちそうになっても、山奥深くにあるびくともしない固い岩盤まで届かせたボルトで引っ張ることで、斜面全体がズレ落ちるのを強力に防いでいます。あの網目コンクリートは、ボルトの頭を押さえつける「座金(ワッシャー)」の役割を果たしているのです。
○枠の中に吹き付けるのは「土と草の種」
…網目の枠の中をよく見ると、草や樹木が生えている場所も多くあります。これは、枠の中にあらかじめ土や栄養分、植物の種を混ぜたコンクリート状の泥を吹き付けているからです。時間が経つと根が張り、自然の力でも斜面が強固になっていきます。
▶︎グラウンドアンカーについては、製造・販売を行っている株式会社エスイーの動画で詳しく説明しています
https://youtu.be/KCc5vzNMnRw
https://youtu.be/KCc5vzNMnRw
崖にぶら下がる職人技と、最新テクノロジーの融合
このような斜面対策の工事や点検は、誰がどのように行っているのでしょうか?
施工現場では、急斜面に足場を組み、ロープで身を吊るした専門の職人(法面工)が作業を行います。足場も届かないような断崖絶壁で、重い資材や吹付ノズルを扱いながら枠を作り、山に穴をあけてボルトを打ち込む作業は、高度な技術と体力を要する職人技です。
一方、完成した後の点検や維持管理では、近年デジタル技術(DX)の活用が急ピッチで進んでいます。
○ドローンによる3Dスキャン:人が立ち入れない高所の斜面をドローンで撮影し、ミリ単位の歪みやひび割れを検知します。
○傾斜センサーとAI:斜面に小型センサーを設置し、大雨などで斜面が数ミリ動いたことを検知してAIが危険度を自動通知します。
施工現場では、急斜面に足場を組み、ロープで身を吊るした専門の職人(法面工)が作業を行います。足場も届かないような断崖絶壁で、重い資材や吹付ノズルを扱いながら枠を作り、山に穴をあけてボルトを打ち込む作業は、高度な技術と体力を要する職人技です。
一方、完成した後の点検や維持管理では、近年デジタル技術(DX)の活用が急ピッチで進んでいます。
○ドローンによる3Dスキャン:人が立ち入れない高所の斜面をドローンで撮影し、ミリ単位の歪みやひび割れを検知します。
○傾斜センサーとAI:斜面に小型センサーを設置し、大雨などで斜面が数ミリ動いたことを検知してAIが危険度を自動通知します。
危ない崖の作業が変わる!日特建設「スロープセイバー」
日特建設が開発したのり面省力化吹付工法「スロープセイバー」は、油圧ショベル(バックホウ)の先端に専用のアタッチメントを取り付け、ロボットアームのようにモルタルを吹き付ける技術です。従来の手作業に比べて作業時間を大幅に短縮できるだけでなく、なんとゲームコントローラーやタブレットを使った「気軽な遠隔操作」での施工も開発が進んでいます。
操作者は、安全な場所や離れた室内にいながら、カメラ映像やレーザーセンサー(LiDAR)による3D計測画面でコンクリートの厚みを確認し、まるでゲームをプレイするかのように正確に斜面へ吹き付けを行うことができます。
「危険な高所作業から人を解放し、安全な場所からテクノロジーで山を守る」——職人技と最先端のロボット施工が融合することで、斜面工事の安全性と効率はこれまでにないスピードで進化しています。
▶︎日特建設のスロープセイバーの遠隔操作技術について、動画で詳しく紹介しています!
https://youtu.be/r0kN-ucRoyg
操作者は、安全な場所や離れた室内にいながら、カメラ映像やレーザーセンサー(LiDAR)による3D計測画面でコンクリートの厚みを確認し、まるでゲームをプレイするかのように正確に斜面へ吹き付けを行うことができます。
「危険な高所作業から人を解放し、安全な場所からテクノロジーで山を守る」——職人技と最先端のロボット施工が融合することで、斜面工事の安全性と効率はこれまでにないスピードで進化しています。
▶︎日特建設のスロープセイバーの遠隔操作技術について、動画で詳しく紹介しています!
https://youtu.be/r0kN-ucRoyg
地球温暖化とこれからの山の守り
近年の地球温暖化に伴い、1時間に100ミリを超えるような「経験したことのないゲリラ豪雨」や大型台風が頻発しています。過去のデータに基づいて作られた斜面であっても、想定を超える雨量によって土砂崩れのリスクが高まっています。
それでも、「スロープセイバー」のような遠隔ロボット技術やセンサーによる常時監視、そして経験豊富な建設技術者の目によって、今日も全国の山道や崖で斜面の維持管理が続けられています。
今度、山道や高速道路を走るときにあの「コンクリートの網目」が見えたら、ぜひ思い出してみてください。あの模様は、自然の猛威と戦いながら、テクノロジーと人の手で私たちの足元と暮らしを静かに守り続けている建設技術の証なのです。
それでも、「スロープセイバー」のような遠隔ロボット技術やセンサーによる常時監視、そして経験豊富な建設技術者の目によって、今日も全国の山道や崖で斜面の維持管理が続けられています。
今度、山道や高速道路を走るときにあの「コンクリートの網目」が見えたら、ぜひ思い出してみてください。あの模様は、自然の猛威と戦いながら、テクノロジーと人の手で私たちの足元と暮らしを静かに守り続けている建設技術の証なのです。
記事内で紹介したCREATIVE LAND協賛企業
■株式会社エスイー
https://creative-land.jp/company-detail/72
■日特建設株式会社
https://creative-land.jp/company-detail/309
https://creative-land.jp/company-detail/72
■日特建設株式会社
https://creative-land.jp/company-detail/309
参考資料・出典
[1] 国土交通省「道路防災対策・法面対策工法」
公開元: 国土交通省 関東地方整備局
URL: https://www.mlit.go.jp/
参照日: 2026年8月28日
使用箇所: 法枠工、グラウンドアンカー工の仕組みおよび斜面崩壊防止の技術解説
[2] 一般社団法人 日本法面協会「法面保護工法の概要と種類」
公開元: 一般社団法人 日本法面協会
URL: https://www.norimen.or.jp/
参照日: 2026年8月28日
使用箇所: 吹付枠工、アンカー工、緑化工法の具体的施工方法および安全点検の取り組み
[3] 日特建設株式会社「のり面省力化吹付工法 スロープセイバー」
公開元: 日特建設株式会社
URL: https://www.nittoc.co.jp/technology/%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC/
参照日: 2026年8月28日
使用箇所: ロボット吹付工法「スロープセイバー」による施工省力化・LiDARリアルタイム厚み計測の解説
公開元: 国土交通省 関東地方整備局
URL: https://www.mlit.go.jp/
参照日: 2026年8月28日
使用箇所: 法枠工、グラウンドアンカー工の仕組みおよび斜面崩壊防止の技術解説
[2] 一般社団法人 日本法面協会「法面保護工法の概要と種類」
公開元: 一般社団法人 日本法面協会
URL: https://www.norimen.or.jp/
参照日: 2026年8月28日
使用箇所: 吹付枠工、アンカー工、緑化工法の具体的施工方法および安全点検の取り組み
[3] 日特建設株式会社「のり面省力化吹付工法 スロープセイバー」
公開元: 日特建設株式会社
URL: https://www.nittoc.co.jp/technology/%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC/
参照日: 2026年8月28日
使用箇所: ロボット吹付工法「スロープセイバー」による施工省力化・LiDARリアルタイム厚み計測の解説
執筆者情報
■氏 名:ハヤシ ヒビキ
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:デザイナー
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026年9月1日
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:デザイナー
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026年9月1日