高速道路なのに赤信号? 美女木JCT首都高5号池袋線に隠された建設技術者たちの知恵
作成者:
株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-10-28 15:51
カテゴリー:
クリコラ 〜 CREATIVE LAND 建設コラム 〜
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株式会社クリエイティブ・ラボ
更新日:2026-10-28 15:51
高速道路なのに赤信号? 美女木JCT首都高5号池袋線に隠された建設技術者たちの知恵
高速道路なのに赤信号? 首都高5号池袋線の謎
朝9時、群馬県藤岡市から東京方面へ帰る途中のことです。
ナビの到着予定時刻は11時。ところが、埼玉県に入って首都高速5号池袋線に近づくころには、到着予定がどんどん遅くなっていきます。最終的には1時間近い遅れ。しかも、今回に限った話ではありません。
そもそも、この道路には以前から疑問がありました。
なぜ高速道路なのに、信号機があるのでしょうか?
調べてみると、そこには首都圏ならではの道路事情が隠されていました。
ナビの到着予定時刻は11時。ところが、埼玉県に入って首都高速5号池袋線に近づくころには、到着予定がどんどん遅くなっていきます。最終的には1時間近い遅れ。しかも、今回に限った話ではありません。
そもそも、この道路には以前から疑問がありました。
なぜ高速道路なのに、信号機があるのでしょうか?
調べてみると、そこには首都圏ならではの道路事情が隠されていました。
高速道路なのに、交差点がある
問題の信号機があるのは、埼玉県戸田市の「美女木(びじょぎ)ジャンクション」です。
ここでは、首都高速5号池袋線・埼玉大宮線と東京外環自動車道が接続しています。
通常、高速道路同士は立体交差で接続し、車が交差せずに通行できるよう設計されています。
ところが美女木JCTでは、道路をつなぐランプ部分が同じ高さで十字に交差し、信号機によって交通を制御しているのです。本線を直進する車は信号待ちをする必要がありませんが、道路を乗り換える車は赤信号で止まることがあります。
なぜ、わざわざこんな構造にしたのでしょうか。
実は、周辺がすでに住宅地として整備されており、大きなジャンクションを造るための用地を確保することが難しかったのです。
そこで採用されたのが、限られた土地に道路を集約し、一部を信号機で処理するコンパクトな構造でした。[1]
ここでは、首都高速5号池袋線・埼玉大宮線と東京外環自動車道が接続しています。
通常、高速道路同士は立体交差で接続し、車が交差せずに通行できるよう設計されています。
ところが美女木JCTでは、道路をつなぐランプ部分が同じ高さで十字に交差し、信号機によって交通を制御しているのです。本線を直進する車は信号待ちをする必要がありませんが、道路を乗り換える車は赤信号で止まることがあります。
なぜ、わざわざこんな構造にしたのでしょうか。
実は、周辺がすでに住宅地として整備されており、大きなジャンクションを造るための用地を確保することが難しかったのです。
そこで採用されたのが、限られた土地に道路を集約し、一部を信号機で処理するコンパクトな構造でした。[1]
実は地下から地上まで5階建て!
さらに驚くことに、美女木JCTは地下1層、地上4層からなる、合計5層の立体交差構造です。
地下には新大宮バイパスのアンダーパス、地上には一般道路や外環道、首都高などが複雑に重なっています。
これだけ立体的に道路を組み合わせても、すべての交通を立体交差で処理することはできなかったのです。
つまり、あの信号機は単なる不合理な設備ではなく、限られた都市空間を最大限活用した結果なのです。[1]
地下には新大宮バイパスのアンダーパス、地上には一般道路や外環道、首都高などが複雑に重なっています。
これだけ立体的に道路を組み合わせても、すべての交通を立体交差で処理することはできなかったのです。
つまり、あの信号機は単なる不合理な設備ではなく、限られた都市空間を最大限活用した結果なのです。[1]
そして、渋滞の原因は信号機だけではない
5号池袋線を東京方面へ進むと、さらに板橋JCTと熊野町JCTが待ち構えています。
この区間では、5号池袋線と中央環状線の車が短い距離で合流・分岐するため、車線変更が集中し、渋滞が発生しやすい構造になっていました。
実は2018年、約500mの区間を3車線から4車線に広げる大規模な改良工事が完成しています。
その結果、首都高速道路株式会社の発表によると、最大通過交通量は約1割増加し、渋滞損失時間は約4割減少しました。[2]
ただし、これは区間全体の渋滞損失を比較した数字で、個々の車の所要時間が4割短くなったわけではありません。交通量の集中や事故などによっては、現在も渋滞が発生します。
この区間では、5号池袋線と中央環状線の車が短い距離で合流・分岐するため、車線変更が集中し、渋滞が発生しやすい構造になっていました。
実は2018年、約500mの区間を3車線から4車線に広げる大規模な改良工事が完成しています。
その結果、首都高速道路株式会社の発表によると、最大通過交通量は約1割増加し、渋滞損失時間は約4割減少しました。[2]
ただし、これは区間全体の渋滞損失を比較した数字で、個々の車の所要時間が4割短くなったわけではありません。交通量の集中や事故などによっては、現在も渋滞が発生します。
高速道路が教えてくれる、都市の限界
美女木JCTの信号機も、板橋・熊野町JCTの複雑な車線構成も、突き詰めれば都市の限られた空間に、膨大な交通をどう通すかという問題につながっています。
道路を広げれば済むように思えますが、都市の真ん中で土地を確保し、既存の交通を維持しながら工事することは、決して簡単ではありません。
そう考えると、あの渋滞も、都市の交通を支えるために積み重ねられてきた工夫と苦労の結果なのかもしれません。
もっとも、到着予定時刻が1時間延びることへの苛立ちまで解消するわけではありません。
理屈はわかりました。できれば、もう少し早く帰らせてほしいものです。
道路を広げれば済むように思えますが、都市の真ん中で土地を確保し、既存の交通を維持しながら工事することは、決して簡単ではありません。
そう考えると、あの渋滞も、都市の交通を支えるために積み重ねられてきた工夫と苦労の結果なのかもしれません。
もっとも、到着予定時刻が1時間延びることへの苛立ちまで解消するわけではありません。
理屈はわかりました。できれば、もう少し早く帰らせてほしいものです。
関連記事:渋滞の先頭には何がある?
渋滞の原因は、合流や車線変更だけではありません。高速道路には、下り坂から上り坂へ切り替わる「サグ」と呼ばれる場所があり、運転者が気づかないうちに速度を落とすことで、後続車に減速が連鎖し、渋滞が発生することもあります。
事故も工事もないのに、なぜ渋滞するのか。以前のコラムでは、その仕組みと道路設計による対策を紹介しています。
関連記事:
渋滞の先頭には何がある? シルバーウィーク前に知りたい「サグ」の話
https://creative-land.jp/post-detail/646
事故も工事もないのに、なぜ渋滞するのか。以前のコラムでは、その仕組みと道路設計による対策を紹介しています。
関連記事:
渋滞の先頭には何がある? シルバーウィーク前に知りたい「サグ」の話
https://creative-land.jp/post-detail/646
参考資料・出典
[1]八千代エンジニヤリング株式会社「60周年カウントダウン ~5層の立体交差構造~『美女木ジャンクション』」
https://www.yachiyo-eng.co.jp/challenge/special/60th_18/index.html
[2]首都高速道路株式会社「板橋・熊野町ジャンクション間4車線化後の利用状況について」(2018年4月25日)
https://prd-www.shutoko.co.jp/news/press-update/press/2018/04/25-itakuma-after/
https://www.yachiyo-eng.co.jp/challenge/special/60th_18/index.html
[2]首都高速道路株式会社「板橋・熊野町ジャンクション間4車線化後の利用状況について」(2018年4月25日)
https://prd-www.shutoko.co.jp/news/press-update/press/2018/04/25-itakuma-after/
筆者情報
■氏 名:亀井 聡
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:ディレクター
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026/10/28
■コラム更新日:2026/10/28
■会 社 名:株式会社クリエイティブ・ラボ
■所属・役職:ディレクター
■企業ページ:https://creative-land.jp/company-detail/3
■コラム公開日:2026/10/28
■コラム更新日:2026/10/28